ボクシングの試合

を見に行った。最近自分のことで手一杯になっていたが、金曜日久々にボクシング部のホームページを読んでみたら試合が行われていて、これは見に行かなければ部員たちにとって失礼に当たると感じて見学に行った。
 北大ボクシング部員は接近戦に弱いという伝統的弱点を相変わらず維持していたがとてもいい試合をしていた。中でもボクシングエリート居並ぶ中果敢にAクラスに挑戦した本田真己に尊敬と激励の意を表する。
 そして、今日驚きだったのは北海道アマチュアボクシング、いや全国のアマチュアボクシングに栄光時代を築いた大西賢次選手が出場していたことである。
 俺がボクシングを始めたときに全盛期を迎えており、大西賢次選手の出ている試合は、試合以前に結果がはっきりしているというほどの強さを誇っていた。後で聞くと、これが年齢制限の最後の歳なのだという。
 数年試合に出場されていなかったが今日出場し、東洋大学の選手(詳しくは知らないが北海道から引き抜きされたボクシングエリートであろう)をKOで破った。正直スタミナやスピードは過去より衰えているのかもしれないが、それを凌いで余りあるキャリアとテクニックを感じさせた。圧巻は接近戦でのディフェンスで『この距離でこのパーリングはありえねえ』というテクニックだった。
 実は俺は現役時代に1度だけ大西賢次選手とスパーリングしてもらった経験がある。除夜の鐘のような凄まじいパンチだった。ゴーンと脳髄に響くのである。俺が今まで受けた中で一番きついパンチだった。
 コテンパンにされた相手だったが大西賢次選手の勝利が何となく嬉しかった。これはボクシングをやったことのある人間にしかわからないであろう複雑な気持ちである。
 俺は7戦でボクシングを引退した。それは、ある程度自分の持つボクサーとしての限界を感じたせいもあるが、何よりボクシングの世界に浸ったときに、それがアマチュアボクシングであろうともそれで喰ってる人間がいるということを知ったからだった。ボクシングで奨学金を受け大学に入っているボクサー、企業から援助を受けながらボクシングを続けている社会人ボクサー、アマチュアボクサーではあるが明らかにプロ意識を持っている。
 こうして俺にはボクシングに対するプロ意識がないと悟りリングを降りた。だが、その挫折を通じて自分がプロ意識を持っている、これだけは誰にも負けられない分野は何か悟った。そして現在俺は言葉を紡いでいる。
 ちなみに現在苫小牧で大西賢次氏にボクシングを教授して貰えるという。ジムはこちら。人を傷つけることはいいことではない。しかし、生きていくにあたって自分の身を守らねばならない場面、力を誇示しなければならない場面は必ず訪れる。その時に大西賢次氏の教えるキャリアとテクニック、そして自信があればどんな困難にも立ち向かっていけるだろう。ちなみに俺は苫小牧の高校に通っていたが、その時に大西ジムがあれば絶対に通っていた。はっきり言って北海道の地方都市で全国NO1を誇った選手のジムに通えるのは贅沢すぎる。
 ドストエフスキーの作品の中に俺の好きな台詞がある。『俺が必要なのはただ1つ、孤独な力の意識なのだよ』。
 ボクシングには間違いなく孤独な力の意識が眠っている。










 
P.S.もしもこちらを読む機会がありましたら、大西ジム関係者の方に
 入門生の試合や練習風景などを撮影し、記録を残すなどのサービスを行うとかなり喜ばれるのではないかと思います。僕自信現役時代の記録をちゃんと残しておくべきだったとちょっと後悔しています。今だったら低コストで比較的簡単に行える作業です。
  

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