唐突だが太宰が引用したヴェルレーヌを引く。
 出版が決まって数日間殆ど何も手につかなかったが、ようやく落ち着きを取り戻し始めた。
 ただ、いつも沈みがちな性分なので、時々のこういう高揚にて釣り合いが取れているのかもしれない。
 ちなみに数日間感じていた気持ちを言葉に表現するならまさにタイトルの言葉である。
 若輩の立場で偉人たちが挑んできた文学の宇宙ドストエフスキーにまつわる書を執筆できるのは、本心を言えば光栄などという言葉では語れず、もはや畏れ多い。
 しかしながら今まで『死んだ方がマシ』というほどの苦境に立たされても、自分の持つ可能性を否定されても、俺は心の中で『いや、俺が最高のセンスを持っている。自分を信じろ』と言い聞かせてきた。
 挫折、挫折、挫折である。だが、ようやく、ようやくここまで来た。
 今は小生を発掘してくださった編集者様、出版者様に全力にて応えるのみである。

 撰ばれたる者の恍惚と不安、我にあり


Powered by FC2 Blog